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【No.053】平成20年07月30日 決算期の変更・・・

3月末決算だったのを7月末決算にしました。

というのは、

今月24日朝、借入先金融機関の担当者より電話があり、今から伺いたいが、とのこと。

・・・不吉な予感(そいうえば昨晩変な夢をみた!!)

担当者『8月5日更新の融資の件ですが、県の信用保証協会から更新不可の連絡があり、

融資の継続ができなくなりました』

私   『ということは、この3月末決算の数字で格付けランクが下がったということですね。

でも、その前の期より増収増益で内容も少し良くなっているのになぜランクが

下がるのですか?』

担当者『だから私も寝耳に水だんったんですよ。普通こんなことはないのですが・・・

ただコンピューターがはじき出した数字らしいのでして、何が原因かということは

協会の担当者もわからないそうです。』

ということで、融資の更新が不可となり、8月5日までに融資の残金を返済しなければ

なりません。

この金融機関とは昨年取引が始まったばかりで、この融資も当座貸越といって、限度額を

設定しておいて、その範囲内の資金をいつでも借りる事が出来、またいつでも返済できる

便利な融資で金利も1.8%台とうれしいものでしたので残念でなりません。

幸いな事に、この融資残は7月末に全額返済する予定でしたので今回は問題ありませんが、

しかし考えてみれば、これが今月ではなく、例えば10月末とか年末とか資金需要の真っ最中に

『10日以内に返済せよ!!』なんて言われたら当然お手上げです。

後々のこともあり、すぐにメイン銀行に電話を入れ、協会付きの融資の次の更新はいつかを

確認し、これは21年11月と確認。とりあえず安心です。

さてそうなった原因を探らねばなりません。

専務と話をしていて、『在庫が原因では』との結論になる。

担当者に電話して『在庫が原因では?』と問うと、自分ももしかしたらそうかもしれない、と。

どうも協会の担当者も『在庫が原因では』と薄々思っておられるらしい(ハッキリとは言えないのだが)

その在庫とは、あるお米の仕入先から、『決算を迎えるので、お米を買ってくれないか』との打診。

ウチとしては、お米を買っても決算上の収益には影響を及ぼさないので、できる限りの買い入れ。

買い入れと言っても3月31日付けの伝票1枚。現物は産地の倉庫に置いたままでなんにも変わった

ことはないのですが、ウチもこの日が決算。

この伝票1枚分が貸借対照表の資産の部の商品に計上され、また負債の部の短期借入金と買掛金

とに計上されます。そしてこの数字が財務分析の数字を悪くするのです。

しかし今回の更新が不可となった融資も、『実はこういう突発的にメリットある取引のためにいつでも使える

資金としての融資枠だったのが、その目的のために使ったために更新が不可となった。』というなんと皮肉な

結果となりました。

ただし、この時に在庫を抱えたのは正解でした。

というのは、昨年10月に、参院選挙で大敗を喫した政権政党が農家の票を取り戻すため、コメ価格を

上げようと34万トンものコメを政府備蓄米として吸い上げ、また政府備蓄米の販売も急きょ差し止める

という緊急対策が施され、その影響で流通するコメが不足しだして4月以降あからさまに米相場に反映し、

5月・6月・7月半ばまでコメ価格が急高騰しました。

しかし、ウチはこの3月末に買い取ったおコメで、あわてることもなく計画通り販売することができました。

が、こんな話は金融機関はそれでもまだ聞く耳を持っていただけますが、

協会には無駄でした。業界の話をしても無理でした。あるのはコンピューターがはじき出した数字のみ。

もちろんそれが悪いわけではないし、金融機関が悪いわけでも協会が悪いわけでもない。

融資してくれているので感謝するばかりである。

ただそういう時代なのだということでしょう。

だからウチはこれからどうしたらいいのかとうことになります。

そうこう考えているうちに、

そもそもなんでウチは3月決算なのだ?

なにかメリットがあるのか?

本当にけじめの時期なのか?と。

今回の事で、メリットもなければけじめの時期でもない、と初めて気がつきました。

平成元年4月に会社を設立して20年、

なんにも思わずに4月から始まり3月に終わるということを繰り返しておりました。

そこで、決算を米屋らしくお米の収穫年度に合わせたらどうかな、と。

つまり、こちらでは一番早い新米ハナエチゼンが8月のお盆頃に収穫されるので、

ウチの会社も8月をスタートとして7月末でけじめとする。

そうすると20年度の決算といったら20年産米についてのけじめとできる。

また、7月末の在庫はというと、一年で一番少ない月。

考えれば考えるほど理想的な7月末。

それでもと思って今月末の財務数字を試算してみると、3月末と比較して、

在庫金額約70%減、買掛金約90%減、短期借入金約50%減などなど財務諸表も良くなりそうな予感。

1年365日のわずか1日の通過点を選ぶだけの話なのにこんなにも違うなんて考えても見なかったことです。

そして決算日の変更を税理士さんに相談。

けじめの時期としての理由と金融機関の出来事を理由として。

税理士さん 『最近はコンピューターでランク付けすることが多くなりましたからね

はい、決算期の変更は簡単な事です。よろしいです。』

そしてメインバンクの担当者にもその旨の連絡。差し支えなし。

ということで、あした7月31日今年2度目の決算をして、8月より再度 新しい年度突入となります。