先日、20年産米の食味ランキングが発表されました。
全国127産地銘柄について食味試験が行われ、
島根は「コシヒカリ」と「きぬむすめ」が評価対象となっていたのですが、
「コシヒカリ」は「A’」、「きぬむすめ」は「A」という評価でした。
このランキングは3段階の評価となっており、
良い方から順に「特A」、「A」、「A’」というようになっています。
これは複数産地コシヒカリのブレンド米を基準に比較し、
特A=特に良好、A=良好、A’=同等、ということを表します。
それ以下にはBやB’があるのですが、今回それに該当する銘柄は無し。
ということは、島根の「コシヒカリ」は最低ランクで「きぬむすめ」の方が上…
(もちろん仁多などの優良産地コシがA’ということは無いと思いますが)
確かに当社で仕入れる島根県産のお米を見ても、
「コシヒカリ」に比べて「きぬむすめ」は本当にきれいなお米で、
胴割れもほとんど見受けれらません。
(「コシヒカリ」はやはり2等、3等比率が高かったようです。)
「きぬむすめ」はまだ島根県でしか扱っていない品種なので
知名度という点では他の優良品種に劣りますが、
外観、食味とも実に優れたお米で、特に当店は店頭での販売ですので、
やはりお客様へ非常に勧めやすいお米であります。
今まで「コシヒカリ」を買われていたお客様が試しに「きぬむすめ」を購入されると、
その後は引き続き「きぬむすめ」を買われることがほとんどと言っていいほど多いです。
そんな「きぬむすめ」ですが、
当社では黒田店で精米するお米は毎日食味計を使って食味を計測しているのですが、
19年産米の食味の推移をまとめてみるとおもしろいことが分かりました。
このグラフは新米の出来た10月から翌8月まで、月の平均値を並べたものです。
(もちろんお米は生産地、生産者、田んぼによって異なるので、日々の数値は大きくばらつきます。)
産地は共にJA雲南管内です。
これを見ると「コシヒカリ」は年を越して春頃から食味が落ちていくのに対し、
「きぬむすめ」は一年を通して食味(品質)が変わらないという結果になったのです。
※あくまで当社での検証結果です。
色々なところで話を聞いてみると、
どうやら農家さんでもそのような特長に気付いた方は、
自家用のお米は「コシヒカリ」ではなく「きぬむすめ」を置いているようです。
そのことからもこの検証数値はあながち大それたものではないことが確信できました。
当社ではこの「きぬむすめ」という品種をどうやって活かしていこうか考えていたところに、
今まで取ってきた数値データや今回の食味ランキングの結果など、
アピール出来る内容も揃ってきて本当に楽しみな品種です。
お米自体は非常に優れたものです。
あとは活かすも活かさないも米屋次第。。。